一人暮らしの親が「要支援2」になったら?行政書士が教える、今すぐ始めるべき「暮らしの契約と手続き」の備え

遺言・相続

「実家で一人暮らしをしている親が、要支援2の認定を受けた」 「まだ身の回りのことはできているみたいだけど、この先一人で大丈夫かしら……」

離れて暮らす親の介護認定をきっかけに、急に将来への不安が現実味を帯びてくる方はとても多いものです。

結論からお伝えすると、「要支援2」であれば、適切なサービスを活用することで一人暮らしを続けることは十分に可能です。しかし同時に、この時期は「一歩先の未来(判断能力の低下や介護度の進行)」に備えるための大切なタイミングでもあります。

今回は、福祉の視点だけでなく、行政書士という「確実な書面で将来を守る専門家」の視点から、要支援2になった親を持つご家族が今すぐ実践すべきアクションを解説します。

2. そもそも「要支援2」ってどんな状態?

要支援2とは、「基本的な日常生活(食事やトイレなど)は一人でできるものの、立ち上がりや歩行に少し支障があり、買い物や掃除などの家事にサポートが必要な状態」を指します。

要支援1との大きな違いは、「認知機能の低下が少し見られ始めることがある」「足腰の不安定さが増す」という点です。

要支援2で利用できる主なサービス

介護保険を使い、以下のような「介護予防サービス」を月額約10,500円(1割負担の場合の上限)の範囲内で利用できます。

  • 訪問型サービス: ホームヘルパーに掃除や買い物、調理を手伝ってもらう
  • 通所型サービス(デイサービス): 週1〜2回、施設に通って機能訓練やレクリエーションを行う
  • 福祉用具のレンタル・購入: 手すりの設置、歩行器のレンタル、入浴補助用具の購入など

3. 一人暮らしの親のために、まず家族がすべき3つのこと

① 地域包括支援センターと密に連携する

まずは実家のある地域の「地域包括支援センター」の担当ケアマネジャー(または保健師など)と連絡を取りましょう。一人暮らしの親の場合、本人が「大丈夫」と言っていても、実際には食事が偏っていたり、薬を飲み忘れていたりすることがあります。家族の懸念点をケアマネジャーに共有しておくことが大切です。

② 認知症のサインを見逃さない

要支援2の段階で最も注意したいのが「認知機能の低下」です。 「何度も同じことを聞く」「冷蔵庫に同じ食材が大量にある」「お金の管理が怪しくなってきた」といった兆候がないか、電話や帰省の際に意識してチェックしてください。

③ グループホームなどの施設情報を集め始める

要支援2になり、もし医師から「認知症」の診断を受けた場合、少人数で共同生活を送る「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」への入居資格が得られます。 すぐに施設に入るわけでなくても、「いざとなったらどこがあるか」を調べて見学しておくだけで、家族の心理的負担はガラリと変わります。

4. なぜ「要支援2」の今、行政書士への相談が必要なのか?

介護のことはケアマネジャーに相談すれば安心、と思われがちです。しかし、ケアマネジャーは「日々の介護サービス」のプロであり、「お金の管理」や「各種契約の手続き」の身代わり(代理人)になることはできません。

親の理解力や判断力がしっかりしている「要支援2」の今だからこそ、行政書士が「予防法務(将来のトラブルを防ぐ書面作成)」の観点からお手伝いできる非常に重要な手続きがあります。

① 任意後見(にんいこうけん)契約の検討

認知症などが進行して判断力が不十分になったときに備え、「誰に」「どんな財産管理や療養看護の手続きを託すか」を、親が元気なうちに公正証書で決めておく契約です。 判断力が低下してからでは、この契約を結ぶことはできません。将来の安心のための「確実な備え」として、今が検討すべきベストタイミングです。

② 財産管理契約・見守り契約

「頭はしっかりしているけれど、足腰が弱くて銀行や役所に行くのが大変」という場合、今すぐスタートできるサポートです。行政書士が定期的に連絡を取り合って状況を把握(見守り)し、あらかじめ決めた範囲内で預貯金の管理や支払いの代行を行います。

③ 遺言書の作成

「自分が認知症になったら、実家や預貯金はどうなるのか」と不安を抱えている親御さんは多いものです。要支援2の段階であれば、ご自身の明確な意思で遺言書を遺すことができます。家族間の将来のトラブル(争族)を防ぎ、親御さん自身の安心感にもつながります。

まとめ:後手に回らないために、まずは「未来の作戦会議」を

要支援2は、まだ慌てる段階ではありません。しかし、「これからの暮らしをどう支えるか」を家族で話し合い、将来に向けた契約や書類の準備をスタートさせる最適なタイミングです。

認知症が進んで意思能力がなくなってしまうと、銀行口座の凍結リスクや、希望の施設への入所手続きが難しくなるなど、手続きの面で大きな壁にぶつかってしまいます。

「介護の窓口は地域包括支援センターへ、『将来の契約や書類手続きの窓口』は行政書士へ

当事務所では、高齢期の財産管理サポートや任意後見契約、遺言書作成など、認知症になる前の「予防法務」を専門としております。 (※すでに親族間で争いがある場合や、裁判所が関わる法定後見の手続きが必要な場合は、提携する弁護士・司法書士と連携して対応いたします)

離れて暮らすご家族からのご相談も大歓迎です。「何から手を付けたらいいか分からない」という方も、まずは一度お気軽にお問い合わせください。