相続した実家を売却して「空き家3,000万円特別控除」を利用する場合、
税務署への確定申告だけでは足りません。
多くのケースで必要になるのが、
「被相続人居住用家屋等確認書」
です。
聞き慣れない名称ですが、相続空き家特例の適用を受けるために重要な書類のひとつです。
今回は横浜市の手続きを例に、その概要と取得方法をご紹介します。
被相続人居住用家屋等確認書とは?
被相続人居住用家屋等確認書とは、
亡くなった方が住んでいた住宅が、相続空き家特例の対象となる可能性があることを市区町村が確認するための書類です。
この確認書は、確定申告の際に添付書類として使用します。
なお、
確認書が交付された=特例適用が確定した
という意味ではありません。
最終的な適用判断は税務署が行います。
横浜市ではどこに申請するの?
横浜市の場合、
建築局住宅部住宅政策課
が担当窓口となっています。
相続した住宅が横浜市内にある場合は、横浜市へ申請を行います。
なぜ確認書が必要なのか
市区町村は、
- 被相続人が居住していた事実
- 家屋の状況
- 利用状況
などについて提出書類から確認します。
その結果をもとに確認書が発行されます。
そのため、
「とりあえず売却したので申請する」
ではなく、
売却前から必要書類を整理しておくことが重要です。
主な必要書類
申請するケースによって異なりますが、一般的には次のような書類が必要になります。
被相続人関係
- 被相続人の住民票除票
- 戸籍関係書類
相続人関係
- 相続人の住民票
- 売買契約書
空き家であったことを示す資料
状況に応じて、
- 電気使用停止証明
- ガス閉栓資料
- 水道使用停止資料
などが求められることがあります。
建物の状況が分かる資料
- 外観写真
- 室内写真
- 解体後の写真
などを提出する場合もあります。
書類収集で意外に苦労するポイント
実務上よくあるのが、
住民票除票の保存期間
かなり以前に亡くなられた場合、
住民票除票の取得に時間がかかることがあります。
ライフライン資料の収集
相続人が遠方に住んでいる場合、
電気・ガス・水道の資料を集めるだけでも手間がかかります。
複数の相続人がいる場合
必要資料を集約するだけで数週間かかることもあります。
行政書士がお手伝いできること
確認書の取得に向けては、
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 相続関係説明図作成
- 必要書類の整理
- 申請準備支援
などが必要になることがあります。
また、
不動産会社や税理士と連携しながら手続きを進めることで、売却から税務申告までスムーズに進めやすくなります。
横浜市で売却を考えている方へ
相続空き家特例は、
適用できれば大きな節税効果があります。
しかし、
- 書類不足
- 要件の見落とし
- 申請準備の遅れ
によって活用できなくなることもあります。
実家の売却を検討している場合は、早めに必要書類の確認を始めることをおすすめします。
まとめ
被相続人居住用家屋等確認書は、
相続空き家特例を利用するための重要な書類です。
横浜市でも申請を受け付けていますが、
- 被相続人関係資料
- 相続人関係資料
- 空き家であったことを示す資料
など、多くの書類が必要になります。
売却を検討されている方は、余裕を持って準備を進めるようにしましょう。
次回予告
次回はシリーズ最終回、
「相続した実家を売却するときによくある失敗5選」
をお届けします。
実際に特例を利用できなくなってしまう原因や、事前に確認しておきたいポイントをまとめてご紹介します。
参考資料(一次資料)
- https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/jutaku/sesaku/kukikakutokurei.html 横浜市|被相続人居住用家屋等確認書について
- 国土交通省|空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得3,000万円特別控除)
- 国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
※本記事は公表されている法令・行政資料を基に作成しています。制度改正等により取扱いが変更される場合があります。最新情報は各行政機関の公表資料をご確認ください。
